教育のチカラ

先日のエントリーのタイトル「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」は、高校のとき古典の時間で習った和歌のうちの一首です。「せば・・・まし」の部分が「もし・・・だったら」という現実と反対のことを推量する反現仮想という古典文法だと習った気がします。

このとき授業をしてくれた国語の先生は、桜の部分を中抜きにし春の部分を生徒自身の名前に置き換えて全員に歌を詠ませました。確か僕は「世の中に絶えて[時計]のなかりせば、[道坂]の心はのどけからまし」と詠んだと思います。

それ以来この歌は僕の心に残り続け、厄介ごとを疎ましく思うたびに「ふぅー。世の中に絶えて[ ]のなかりせば、僕の心はのどけからまし。。。。か。」という形で思い起こされ、ちょっとだけ僕の心をなだめてくれるわけです。(元々の歌とは意味合いが違うけど)

反現仮想の文法は役になってないけど、この歌は僕をちょっと豊かにしている。

教育は人間を豊かにする。そういうものであってほしいなぁ。


追記:
この歌は、在原業平(ありはら なりひら)の詠んだ歌で、古今和歌集に収録されているそうです。

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このページは、Michisaka.Koshiが2005年5月21日 13:30に書いたブログ記事です。

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